「雨の日になると、腰から足にかけての痛みやしびれが強くなる」
「天気予報より先に、体が低気圧を教えてくれる気がする」

坐骨神経痛の方から、こんなお話を聞くことは少なくありません。
では、気圧の変動と坐骨神経痛には本当に関係があるのでしょうか？

このページでは、

• 気圧が変わると体の中で何が起きるのか
• なぜ坐骨神経痛の痛みが強く感じやすくなるのか
• 日常生活でできる対策
• 整体・整形外科など専門機関の上手な使い分け
• 当院（たけだ整体院）での考え方・アプローチ

を、できるだけやさしい言葉でまとめました。

※このページは医療機関での診断や検査を否定するものではありません。
強い痛みやしびれが続く場合は、まず整形外科などの医療機関での受診をおすすめします。

1-1 坐骨神経痛は「病名」ではなく「症状名」

坐骨神経痛は、腰～お尻～太もも～ふくらはぎ～足先にかけて出る痛み・しびれ・突っ張り感などをまとめた「症状名」です。

代表的には、

• 腰椎椎間板ヘルニア
• 腰部脊柱管狭窄症
• 変形性腰椎症
• 梨状筋（りじょうきん）症候群　など

腰や骨盤、股関節まわりの骨・椎間板・靱帯・筋肉などが坐骨神経を圧迫・刺激している状態が背景にあります。

1-2 よくある自覚症状

• お尻から太ももの後ろにかけてズキッと痛む
• ふくらはぎがつる・ピリピリしびれる
• 長く歩くと足が重だるくなり、少し休むとまた歩ける
• 立ちっぱなし・座りっぱなしで痛みが強まる
• 低気圧・雨の日・寒い日に症状が悪化しやすい

こういった症状があると、日常生活や仕事のパフォーマンスにも大きく影響してしまいます。

私たちは普段、空気の重さ＝**大気圧（気圧）**の中で生活しています。
低気圧が近づくと、この「空気の重さ」が少し軽くなり（気圧が下がる）、高気圧では少し重くなります。

変化量はごくわずかですが、耳の奥（内耳）や血管・神経のセンサー、自律神経がこの変化をキャッチすると言われています。

2-1 自律神経への影響

気圧が大きく変動すると、

• 交感神経が優位になりやすい
• 血管がギュッと縮み、血流が悪くなる
• 痛みを感じる神経が敏感になりやすい

といった変化が起きると考えられています。

実際、動物実験では気圧を下げることで、神経障害性の痛みが強くなることが報告されています。

2-2 血流・筋肉・神経への影響

気圧が下がるときは、

• 雨・曇りで気温が下がる
• 湿度が高くなる
• 体が冷えやすくなる

といった環境の変化も同時に起こりやすくなります。

その結果、

• 冷え → 筋肉がこわばる
• 血流が悪くなる → 老廃物がたまりやすい
• 炎症部位の周囲がむくみやすい

といった状態になり、もともと神経が圧迫されている部位では、さらに痛み・しびれを感じやすくなると考えられます。

 

2-3 ただし「気圧だけが原因」ではない

一方で、人間を対象とした研究では、

• 「天気と痛みの関係ははっきりしない」
• 「一部の人には影響がありそうだが、個人差が大きい」

といった結果も多く、まだ結論が出ていない部分もあります。ウィキペディア

つまり、

• 気圧の変化は「痛みを悪化させるスイッチ」の一つ
• その前提として、腰・骨盤・神経まわりに何らかの問題（ヘルニア・骨格のゆがみ・筋肉の緊張など）がある

と考えるのが現実的です。

低気圧の日に症状が出やすい方には、いくつかの共通点があります。

3-1 冷えやすい・血行が悪い

• 足先・ふくらはぎがいつも冷たい
• お風呂で温まると少し楽になる
• エアコンの風が当たると一気に痛みが出る

こういった方は、もともと血流が滞りやすく、筋肉が硬くなりやすい状態です。

3-2 長時間同じ姿勢が多い

• デスクワークで1～2時間以上座りっぱなし
• 車の運転・立ち仕事で同じ姿勢が続く
• スマホを見るときに背中が丸くなりがち

長時間同じ姿勢が続くと、腰・お尻・太ももまわりの筋肉が硬くなり、
坐骨神経の通り道を圧迫しやすくなります。

3-3 骨盤～股関節まわりの筋肉がガチガチ

• お尻を押すと強いハリや痛みを感じる
• 前屈・後屈で腰が突っ張る
• 股関節を開くとつっぱる感じが強い

特に**梨状筋（お尻の奥の筋肉）**が硬くなると、
そのすぐそばを通る坐骨神経を圧迫し、痛みやしびれの原因になります。

3-4 睡眠不足・ストレスが続いている

睡眠不足・精神的ストレスが続くと、痛みを抑える脳の働きが弱まり、
**同じ刺激でも「より痛く感じやすく」**なってしまいます。PMC+1

そこへ気圧の変化が重なることで、痛みが一気に表面化しやすくなります。

医療機関の受診を優先した方が良いケースもあります。

4-1 すぐに整形外科受診を検討すべき症状

• 両足、あるいは片側でも急に強いしびれ・脱力が出てきた
• 排尿・排便がしにくい、または尿漏れなどが急に増えた
• 痛みが夜間も強く、眠れないほど続く
• 転倒・事故など、はっきりしたケガのあとから急に悪化した

こういった場合は、まず整形外科などでの検査・診断を受けることが最優先です。

4-2 併用が望ましいケース

• レントゲンやMRIで大きな異常はないと言われた
• 薬や湿布で少し楽にはなるが、すぐに再発してしまう
• 「様子を見ましょう」と言われたが、日常生活ではつらさが続く

このようなケースでは、

• 医療機関で病気や緊急性の問題がないかをチェックしつつ
• 整体・運動療法などで筋肉・関節・姿勢・動き方の改善を図る

という「二本立て」で進めていくのが現実的です。

当院では、気圧の変動そのものを変えることはできませんが、
気圧が変わっても症状が出にくい“土台のからだ”をつくる

ことを目標にしています。

5-1 まずはじっくり「カウンセリング」と「検査」から

同じ「坐骨神経痛」という言葉でも、

• 腰椎の問題が中心の方
• 骨盤・股関節のバランスが崩れている方
• お尻の奥の筋肉（梨状筋など）の緊張が強い方
• 猫背・反り腰など姿勢のクセが大きい方

など、原因のパターンは人によってさまざまです。

当院では、

• お話をじっくり伺うカウンセリング
• 姿勢・動き方・日常のクセのチェック
• どの動きで症状が強くなるかの確認

などを通して、**「どこに一番負担がかかっているのか」**を一緒に整理していきます。

5-2 ３ステップで坐骨神経への負担を軽くしていく

当院の基本的な考え方は、すべての症状に共通して

1. 筋肉をゆるめて関節可動域を改善し、骨格のゆがみを整える
2. 体幹を支えるインナーマッスルを活性化させる
3. 神経にアプローチして理にかなった体の使い方を身につける

という３ステップです。

ステップ1：固くなった筋肉と関節を整える

• 腰・お尻・太もも裏など、坐骨神経の通り道の筋肉をていねいにゆるめる
• 骨盤・股関節・背骨の動きの偏りを整える
• 痛みの強さや体の状態をみながら、負担の少ない範囲で行う

これにより、神経を圧迫している周囲の張りやこわばりを軽くしていくことを目指します。

ステップ2：体幹・骨盤まわりを「支えられる」状態に

筋肉をゆるめるだけでは、時間が経つと元の状態に戻ってしまいやすいです。
そこで、次のステップとして、

• お腹まわり・お尻まわりのインナーマッスル
• 股関節まわりを安定させる筋肉

が**無理なく働くように整えていきます。

「がんばる筋トレ」ではなく、
呼吸や手足の軽い動きを利用しながら、自然に体幹が入ってくるようなエクササイズをお伝えします。

ステップ3：日常の「クセ」を整えていく

最後に、再発しにくい状態を目指すために、

• 座り方・立ち方・歩き方
• デスクワーク時の姿勢
• 家事・育児・趣味（スポーツなど）での体の使い方

などを、その方の生活スタイルに合わせてアドバイスします。

**「ここに気をつけると、坐骨神経への負担がグッと減りますよ」**というポイントを、
一度にたくさんではなく、少しずつ実践しやすい形でお伝えしていくのが特徴です。

最後に、このページのまとめです。

• 気圧の変動（特に低気圧）は、
  • 自律神経を刺激し
  • 血流や筋肉の状態を変化させ
  • もともとある痛みを「感じやすくする」方向に働く
    ことが、動物実験や一部の研究からも示されています。International Lumbago Clinic+3PubMed+3PLOS+3
• ただし、「気圧だけ」が坐骨神経痛の原因ではありません。
  腰・骨盤・股関節の負担、筋肉のこわばり、姿勢のクセなど、
  土台としての体の状態があってこそ、気圧の影響が出やすくなります。
• 日常生活では、
  • 冷やさない工夫（骨盤まわり・足首・ふくらはぎ）
  • 同じ姿勢を続けない工夫
  • お尻・もも裏の簡単ストレッチ
  • 低気圧の日を「先回りケアの日」としてとらえること
    が大切です。
• 強い痛み・しびれ、排尿排便の異常などがある場合は、
  自己判断をせず、整形外科などの医療機関を優先することが重要です。
• 当院では、
  • カウンセリングと検査で状態を整理し
  • ・骨格・体幹・神経を整える３ステップの施術で
    **「気圧の変化にも振り回されにくいからだづくり」**をサポートしています。

 

「天気に振り回されない毎日」を目指して

気圧や天候は、自分では変えられないものです。
ですが、気圧に対してどう反応する体でいるかは、少しずつ変えていけます。

もし、

• 雨の日や季節の変わり目に坐骨神経痛が悪化してつらい
• 病院で「様子を見ましょう」と言われたが、日常生活では困っている
• 気圧アプリを見るたびに憂うつな気持ちになる

そんなお悩みがあるようでしたら、
一度、からだの土台を整えるという視点からも、坐骨神経痛を見直してみませんか。

「気圧が下がる日でも、必要以上に症状に振り回されないからだへ」

そのお手伝いを当院がさせていただきます。

 

坐骨神経痛でお悩みの方は、坐骨神経痛の施術について詳しく書いたページを参考にしてください。

また足にしびれが出ることはないけれど、長い間腰の痛みでお悩みの方は、腰痛の施術について詳しく書いたページを参考にしてください。